新型コロナ感染症の感染症法の分類の引き下げによって何が変わるのか?そもそも2類や5類とはなんだ?という点をおさらいしておきたいと思います。
感染症法は、その広がりやすさや、症状の重さなどの危険度に応じて、1類から5類に分類されています。最も危険度の高い1類には、エボラ出血熱やペストなどの極めて危険な感染症が、2類には結核やSARS、3類にはコレラや腸チフス、4類には狂犬病やマラリア、そして5類には、インフルエンザや麻疹などが含まれており、その分類に応じて対処の仕方が定められています。新型コロナウィルスは、当初、この中の2類に分類されていましたが、その性質が明らかになるにつれて、既存の分類では対応が困難になり、新たに「新型インフルエンザ等感染症」という項目が作られ、そこに分類されることになりました。危険度が二番目に高い分類に属していたことを思うと、その脅威を改めて感じさせられます。
この感染症法によって、イベントなどの開催も規制の対象となっていましたが、5類への引き下げにより、新型インフルエンザ特措法の対象ではなくなり、政府や都道府県の対策本部も廃止され、イベントも主催者や参加者の自主的な判断による感染対策の下に開催できることになりました。
2023.05.09
Monthly Feature
アフターコロナでイベントはどう変わる?

2023年3月、マスクの着用が個人の判断に委ねられ、5月上旬には、新型コロナ感染症の感染症法上の分類が、2類から5類へと引き下げられました。もちろん、引き続き慎重を期する必要はありますが、2019年の年末以来、3年以上続いたコロナ騒動も、ようやく一つの節目の時を迎えたと言えそうです。
コロナ禍の期間中は、中止や規模の縮小を余儀なくされたり、厳しい制限の中で形式を変えて開催せざるを得なかったイベントも、ビフォーコロナの賑わいを取り戻しつつあります。ここで、イベントの企画・運営面での変化をまとめてみたいと思います。
Contents
おさらい―「五類に引き下げ」とは?
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ハイブリッド型が主役に
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この3年余りのコロナ禍を経た現時点で、イベントの企画・運営面で大きく変わったのが、リアル(対面式)とオンラインを組み合わせた、ハイブリッド型のイベントの割合が増えたことです。リアルイベントは、不特定多数の人にも声が掛けやすく、新たな顧客の開拓にもつながりやすい、手に取って質感を確認できる、大勢で熱量や臨場感を共有、といった大きなメリットがありますが、当然のことながら、その場に来ないとそのメリットは享受できません。一方、オンラインは、参加する側にとっては移動が最小限で済むことや、感染を心配しなくていいといったメリットがありますし、イベントを運営する側にとってはコスト削減や、一度に大勢の方に情報を発信できたり、イベントの様子をアーカイブできたりするという利点もあります。そういったことを踏まえて、双方の要素を取り入れたハイブリッド型のイベントが、定番になってきました。かつては「どっちか」が当たり前でしたから、これは大きな変化といえます。
機材もスタッフも変化
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このハイブリッド型イベントが採用されることで、「音響・照明・映像」といった、イベント運営機材の御三家に加えて、「配信」という要素が加わり、安定した配信のための通信環境の整備やセキュリティの担保、新たなプラットフォームの管理、といった点も運営側に求められることになりました。そしてリアルとオンラインを破綻なく融合させ、イベントをスムースに運営していくためのスタッフのスキルの高さが、イベントの成功を左右するようになりました。
バーチャルの世界は加速するか?
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もう一つ、このコロナ禍での変化は、バーチャルな世界の拡大です。つい先ごろ、あのご当地キャラクターブームの火付け役となった「ゆるキャラグランプリ」が、リアルと3次元仮想空間メタバースと連携し、名称も「ゆるバース」と改称されて、リアルとバーチャルのハイブリッドイベントとなって、3年ぶりに復活開催すると主催者からリリースされました。7月にはメタバース上でPR合戦が始まり、10月に兵庫県内で決戦投票と表彰式が行われるとのこと。新たなプラットフォームを活用した地域振興の起爆剤としてその成果に期待がかかります。他にも、展示会、交流型イベント、住宅の見学会、観光地のツアーイベントなどでもバーチャル化の動きが活発化しており、今後の動きに注目です。
参照元
「ゆるバース」オフィシャルウェブサイト
イベントの目的を因数分解してみよう
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リアルにはリアルの、イベントの良さがあります。先ほど申し上げた、熱量や臨場感、香りや感触といった感覚的なもの重要視するのであれば、リアル開催の方が理にかなっているかもしれません。一方、情報を一方通行的に発信する形式の講演やセミナーなどは、余程のことが無い限り満席の聴衆で会場を埋める、という事は難しくなってしまうでしょう。このような場合はオンライン化に運営をシフトしたり、リアル開催との相乗効果を生む手法を導入したりする工夫を加えることで、成果につながるかもしれません。
コロナ以前に戻すことを考えるのではなく、イベントを開催する目的や成果をゼロベースで考え、最適な手法を柔軟に取り入れていくことが我々のような企画・運営側にも、主催をされる側にも必要になってきたといえそうです。
今はまだ、マスク着用派が多いですが、たとえマスク派がゼロになったとしても、進化し多様化したイベントのスタイルが元に戻ることは無いと言っていいでしょう。
エイエイピーは、目的や条件に応じて、最適なイベントの企画・運営をサポートさせていただきます。お気軽にお問合せください。
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