2025.07.14
Monthly Feature
テレビCMは「効果ない」って本当?PR担当が知るべき次世代の集客戦略

現在、マーケティング手法は多種多様なものがあります。そして、若者のテレビ離れが進む今日では、「テレビCMは効果がない」という声も聞かれます。一方で、テレビCMには以前と変わらず大きい影響力があり、正しく利用すれば大きな効果を上げられます。
今回は、「テレビCMは効果がない」といわれる原因について、テレビCMの費用対効果を計測する方法や費用対効果を上げるポイントと共に解説します。
Contents
テレビCMは「高いが効果がない」のか?
-
テレビCMの効果がないかどうかは、活用方法次第です。そもそもテレビCMを放送するためには、多額の費用がかかります。しかし、日本民間放送連盟の調査によると、広告を1,000人に届けるコストはWebの動画広告に比べて半分以下とされており、必ずしも高いとは限りません。また、テレビCMを適切に活用できれば、十分な費用対効果を発揮できます。テレビCMで効果を得られない場合には、活用方法を見直したり費用対効果を改めて計測して構成を再考しましょう。
テレビCMは効果がないといわれる原因
-
「テレビCMは効果がない」と耳にすることがあります。「テレビCMは効果がない」といわれる原因は、以下の通りです。
・制作コストがかかる
・ターゲティングが困難である
・費用対効果が測定しにくい
それぞれについて詳しく解説します。
制作コストがかかる
テレビCMを制作するためには、多くの費用がかかります。表面での制作コストの高さが、費用に対する効果がないといわれる原因の1つです。
全国規模で出稿することを想定する場合、億単位の費用がかかるとされています。また、制作費も数千万円がかかるため、費用対効果を考える必要があります。とはいえ、最近は1本単位で放映枠の購入ができるSAS(スマートアドセールス)の登場によって、低予算での出稿も可能になりました。SASを活用すれば、少ない費用での効果が期待できます。
ターゲティングが困難である
テレビというメディアの性質上、ターゲティングが困難であることも原因として挙げられます。テレビは老若男女問わず見るメディアです。効率よく効果を出すためには、商品やサービスに合ったターゲティングが重要ではあるものの、ターゲットを絞ってアピールしにくいという特徴があります。時間帯や流す番組を選ぶことで、ある程度のターゲティングは可能です。例えば、主婦層をターゲットにする場合は平日日中での放映が適します。
費用対効果が測定しにくい
精密な広告の効果測定が難しいため、費用対効果が測定しにくい点はテレビCMの抱える弱点です。マーケティング手法において、効果測定をしてより効率よくターゲットにアピールするための施策を再考することは重要です。しかし、テレビCMは費用対効果を測定しにくく、効果を実感しにくい場合があります。実際には効果があっても、効果を実感しにくいと「効果がない」と思われる可能性があります。
テレビCMが持つ3つの効果
-
テレビCMは、その特徴から以下の効果が期待できます。
・短期間で多くの認知を獲得できる
・幅広い層にアプローチできる
・「CM放映」自体が企業のイメージアップになる
それぞれの効果について詳しく解説します。
短期間で多くの認知を獲得できる
短期間で認知度を高める手段として、テレビCMの効果は非常に大きなものです。新商品やキャンペーンの告知方法としては特に優秀であり、短期間で商品やサービスをアピールしたい際のマーケティング手法に最適です。例えば、新発売の商品をアピールしたい場合、迅速な認知度向上が期待できる点から、Web広告よりテレビ広告の方が適します。時間制約のあるアピールでは、テレビCMは高い効果が期待できます。
幅広い層にアプローチできる
幅広い年齢層にアピールでき、これまでアピールできなかった層にもリーチできます。
前述の通り、テレビは年齢層問わず見るメディアであり、ターゲティングがしにくいという特徴があります。しかし、裏を返せば幅広い層に見てもらえるため、潜在層へのアプローチも可能です。自社の製品やサービスを知らなかった人も、テレビCMを通して認知してもらえ、ブランドの確立にも役立ちます。
「CM放映」自体が企業のイメージアップになる
テレビCMを放映するためには、多くの費用がかかります。だからこそ、「テレビCMを放映できるだけの資金がある」「資金に余裕がある」ことをアピール可能です。テレビCMを放映すれば、消費者だけではなく株主や従業員、従業員の家族などにもよい影響を与えられます。従業員に対してはモチベーションやエンゲージメントの向上効果があり、就職希望者やその家族には安心感を与えて応募数の向上が期待できるでしょう。
テレビCMの費用対効果を計測する方法
-
テレビCMの費用対効果は測定しにくいといわれるものの、以下の方法で測定可能です。
・GRP
・GAP
・アンケート調査
・売上の変化
・Webへの流入数
それぞれについて詳しく解説します。
GRP
GRP(Gross Rating Point)とは、一定期間放送されたCMの世帯視聴率を合計した数値のことです。「番組の平均世帯視聴率×CM本数」で算出できます。例えば、平均視聴率5%のテレビ番組で10回CMを放映した場合のGRPは、50GRPであることが分かります。
また最近では、より詳細な視聴状況を把握するために、世帯の4歳以上の個人について視聴状況を計測するPRPが重視されています。主にスポットCMの費用対効果を測定する際に活用します。
GAP
GAP(Gross Attention Point)とは、視聴者がどの程度CMを注視しているかを計測した数値のことです。CMを放映していても、見てもらえなければ自社製品やサービスを認知してもらうことはできません。
GRPはCMの露出量であるのに対して、GAPはどの程度ユーザーに見てもらえたかを測定します。測定には、顔認証機能がついたテレビが必要です。ユーザーの目の動きからGAPが計測され、1秒見るごとに1GAPがカウントされます。また、見てもらえているかどうかだけではなく、表情も把握可能です。表情を確認すれば、ユーザーの需要に応じているかどうかが分かります。
アンケート調査
購入者や視聴者にアンケートを取る直接的な方法もあります。インターネットにアンケートを設置して回答してもらったり、街頭調査をしたりして、テレビCMの感想を聞く方法です。数値ではなく、ユーザーの声を直接聞ける点が特徴です。他の数値と組み合わせると、より信頼性が高いデータになります。単体で効果測定をするのではなく、GAPやGRPと組み合わせて活用しましょう。
売上の変化
直接的な数値を見る際は、売上の変化を確認しましょう。
商品をテレビCMでPRする際、放映前後や前年同時期の売上を比較することが、最も基本的な方法です。テレビCMの制作や放映にかかった費用と比較して、売上の変化の幅が大きければ「効果があった」と判断できます。ただし、売上の変化にはさまざまな要因が絡むため、結果が純粋な広告効果であるとはいい切れません。1つの指標として捉えて、売上の変化のみで効果を測定することは避けましょう。
Webへの流入数
Webへの流入数も、効果を測定する指標の1つです。これは、商品・サービスの検索数やオウンドメディアへの閲覧数を放映前後で比較する方法です。テレビCMを放映した後、商品・サービスの検索数やオウンドメディアへの閲覧数が増えていれば、「テレビCMの効果があった」「ユーザーの興味を惹けた」と判断できます。逆に、さほど変化がなかった場合は、CMの構成や放映時間などの変更が必要です。
テレビCMの費用対効果を上げるポイント
-
「多くの費用や時間を使ったにも関わらず効果がない」という事態は避けたいものです。テレビCMの費用対効果を上げるためには、いくつかのポイントがあります。そこでここでは、テレビCMの費用対効果を上げるポイントを紹介します。
ターゲティングができているか
ターゲティングをしてからテレビCMを放映しましょう。ターゲティングが不十分では、制作するクリエイティブの方向性が定まらないためです。
テレビCMを制作する際、ターゲットと目的を最初に明確にすることが重要です。定めたターゲットが、どのようなCMであれば興味を示すのか、目に留まるのかを考えながら構成を決めます。また、テレビ番組や時間帯によって見る層は変わります。ターゲットを決めることで、放映する番組や時間帯の適切な選択が可能です。
放映時間やエリアはターゲットに合っているか
テレビCMは、放映時間やエリアを選択できます。ターゲットに合わせて選択することで、効率よくターゲットの目に留まりやすくなります。
テレビは、幅広い年代の人が見るメディアです。とはいえ、番組や時間帯によって見る層が変わります。ターゲットがテレビを見ない時間帯にテレビCMを放映しても、見てもらうことはできず効果は得られません。ターゲットを決めたら、ターゲットがテレビを見る時間やエリアを調査して、最適なタイミングで放映しましょう。
放映形式の違いを理解しているか
放映形式の使い分けも重要です。テレビCMの放映方法は、大別してタイムCMとスポットCMに分かれます。それぞれの特徴やメリットとデメリット、出稿期間は以下の通りです。
放映形式の違いを理解すれば、テレビCM放映の目的に合わせて使い分けられます。それぞれの違いを把握して、目的に合う放映形式を選びましょう。項目 タイムCM スポットCM 特徴 特定の番組内・同じ時間帯で放送される 番組間にある特定の時間帯で放送される メリット 狙ったターゲット層へ訴求できる 幅広い層へアプローチできる デメリット ・比較的高額になる
・視聴率に左右される狙ったターゲット層へ訴求しにくい 購入単位 30秒単位 15秒単位 目的 長期でのブランディング キャンペーンや新商品など 期間 半年など長期間 短期間・投下量などを選べる
クリエイティブの品質が低くないか
クリエイティブの品質が高くなるように意識しましょう。ターゲットに沿った内容で、時間を正しく選んで放映しても、クリエイティブの品質が低ければ効果は期待できません。
例えば、ありきたりなCMではチャンネルを変えられる恐れがあります。競合他社がどのようなCMを放映しているのかを調査して、他社との差別化を図るオリジナリティのあるCM制作を目指しましょう。費用対効果を上げるためには、内容や放映時間をターゲットに合わせるだけではなく、記憶に残るフレーズやインパクトのある導入が有効です。
行動につながるフレーズが含まれているか
商品やサービスの購入を促すCMを放映する際は、購入につながる行動に誘導する仕組みが必要です。
例えば、明確なCTA(Call To Action:行動喚起)をCMに入れることで、興味を示した際に自社製品やサービス購入のための行動を取りやすくなります。単に自社の知名度向上のみを目的とする際は、CTAをCMに入れる必要はありません。しかし、製品やサービスの購入を目的とする際は、CTAを入れて誘導しましょう。
テレビCMの効果を上げる手法
-
テレビCMには、テレビで放映するからこその効果が期待できます。しかし、単に放映すれば効果が得られるわけではありません。そこでここでは、テレビCMの効果を上げる手法をいくつか紹介します。
SNSとの連動
テレビCMのみではなく、SNSと連動することでより高い効果が期待できます。
SNSは、より精緻なターゲティングと拡散が期待できます。その特徴からテレビCMとの相性がよく、連動することでより効果的なマーケティングが可能です。例えば、テレビCMを放映して話題が集まったタイミングで、SNSに関連情報を掲載したりキャンペーンを実施したりすることで、CMを見たユーザーの興味をさらに惹けます。また、拡散されればCMを見れなかったターゲットへのアプローチも可能です。
Web広告との併用
YouTubeやTVerなどの動画広告との連動もおすすめです。Web広告と併用することで、テレビを見ない層へもアプローチできます。また、Webでの動画広告は、テレビCMと同じ素材を活用可能です。新たにCMを制作せず、より多くの人に見てもらえる可能性が高まります。
PDCAサイクルによる改善
テレビCMの効果を上げるには、一度流して終わりではなくPDCAサイクルを回して改善していくことが大切です。前述した効果測定をして、どうすればより高い効果が得られるかを話し合いましょう。CheckとActionを繰り返し、問題点の発見と解決を重ねることで、より効率よく費用対効果を高められます。
テレビCMは観光地PRにも効果的
-
テレビCMは、さまざまな製品やサービスをPRできます。そのなかで、映像で情報を伝えるテレビCMは観光地PRにも最適です。テレビCMで観光地をPRすることには、以下のメリットがあります。
● 臨場感のあるアピールができる
● 制作したCMは、YouTubeやInstagramなど他の媒体でも応用できる
● メジャーな観光地だけではなく隠れた名所も紹介できる
観光地PRの新たな手法として、テレビCMを検討してみてはいかがですか。
「テレビCMを放映したものの、さほど効果が得られなかった」「ターゲットのニーズが分からない」など、マーケティングに悩む企業は少なくありません。ブランディングを軸にしたCMや動画広告の企画・実行はエイエイピーにご相談ください。
エイエイピーでは、さまざまなマーケティング手法のサポートをしています。
テレビCMにも対応。ターゲット選定から企画、実行、改善まで一貫してサポート可能。
まずはお気軽にご相談ください。