近年、企業やブランドが利用者へ配布する特典である「ノベルティ」と、デジタルとの組み合わせで注目されています。従来のノベルティは、ペンやノート・メモ・シールなどの小物類が一般的でした。しかし、さまざまなものがデジタル化される今日では、ノベルティもデジタル化する動きが進められています。
デジタルノベルティとは、商品と引き換えできる電子マネーやポイント、デジタルコンテンツのことを指します。デジタルノベルティは、SNSキャンペーンなどで手軽に活用でき、企業にとっては配布や在庫管理の手間やコストを抑えられるメリットがあります。
2025.06.13
Monthly Feature
デジタルノベルティとは?種類や効果的な活用事例を解説

近年、さまざまな企業が競合他社との差別化を図るため、多種多様なノベルティを考案しています。デジタル化が進むにつれて、ノベルティもデジタルノベルティが増えてきました。そこで今回は、デジタルノベルティの概要や種類、効果的な活用事例を紹介します。
Contents
デジタルノベルティとは
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デジタルノベルティの種類とは
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デジタルノベルティには、さまざまな種類があります。主な種類は以下の通りです。
・電子マネーやECギフト券
・会員ポイント
・商品券や景品引換券・クーポン
・デジタルコンテンツ
それぞれについて詳しく解説します。
電子マネー・ECギフト券
電子マネーや有名ECで使えるギフト券は、人気のデジタルノベルティのひとつです。電子決済が広がり、使用層も幅広いため主流になりました。電子マネーやECギフト券が広く普及している理由として、使える場面が多く手軽である点が挙げられます。コンビニや近くのスーパーなど、身近な店舗で使える電子マネーやECギフト券が人気です。また、宿泊やレジャーなどの体験や好きな商品に引き換えられるギフトカタログもあります。ノベルティの予算によっては、ギフトカタログもおすすめです。
会員ポイント
会員ポイント制度の多様化によって、ポイントも人気のデジタルノベルティです。自社のポイントをデジタルノベルティにすることで、顧客獲得や継続率アップなどの効果が期待できます。また、現金同様の価値があり、使いやすい点も特徴です。顧客やリピーター獲得を目的にデジタルノベルティを導入したい際におすすめです。
商品券・景品引換券・クーポン
特定の商品と引き換えできる券である「商品券」や「景品引換券」も人気です。ポイントと異なり、利用できる商品やサービスが限られるため、季節ごとの商品販促や特に推したい商品・サービスなどに適します。また、商品券や景品引換券には来店促進や購買意欲を高める効果もあります。ポイント同様、顧客やリピーター獲得を目的とする際にもおすすめです。
デジタルコンテンツ
NFTやARを使った独自のコンテンツも増加しています。NFTやARは近年急速に普及していて、特に若年層に人気のノベルティです。若年層をターゲットにデジタルノベルティを実施したい際に適します。また、限定のコンテンツで特別感を出せる点も特徴です。「従来のデジタルノベルティとは異なるノベルティをしたい」「競合他社と差別化を図りたい」とお考えの際におすすめです。
デジタルノベルティのメリット
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デジタルノベルティを導入することには、以下のメリットがあります。
・コストを削減できる
・ユーザーの利便性が高い
・効果を分析できる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
コストが削減できる
ノベルティをデジタル化することで、費用面におけるコストを削減できます。
これまでのノベルティは、制作したり在庫を管理したりなどの費用であるコストがかかっていました。しかし、デジタルノベルティは制作コストや配布コスト・在庫管理コストなどを削減できます。また、取り入れコストも少なく再利用も可能である点も特徴です。ノベルティの在庫が思うように配布しきれなかった場合、制作コストが赤字になったり、在庫管理コストが割高になったりなどのリスクがあります。しかし、デジタルノベルティは配送コストや在庫管理コストなどのリスクがかかりません。
ユーザーの利便性が高い
ユーザー目線のメリットとして、利便性が高い点が挙げられます。
デジタルノベルティは、スマートフォンやパソコンで受け取れて便利なノベルティです。レジでスキャンするだけ、引き換えの提示・消し込みボタンを押すだけなど、使う際の手間もかかりません。利便性が高ければ、ノベルティの満足度も上がってノベルティ目当てで製品やサービスが売れる可能性があります。また、シェアも可能で効果を高めることも可能です。
効果を分析できる
効果を分析しやすい点もメリットです。
デジタルノベルティは、デジタル上でユーザー層や受取率、参加度を測れます。どのようなユーザーに需要があるのかが分かるほか、参加度からノベルティが使いやすいかどうかも把握可能です。ユーザーの興味やニーズを把握できれば、より効果のあるノベルティ施策ができます。今後のノベルティを活用した製品やサービスの開発、提供にも活用可能です。
デジタルノベルティのデメリット
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デジタルノベルティにはさまざまなメリットがある反面、以下のようなデメリットもあります。
・デジタル環境が必要
・効果が継続しにくい
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
デジタル環境が必要
ユーザーがデジタルノベルティを利用するためには、デジタル環境が必須です。主にスマートフォンやパソコンを使用しなければならないため、ネット環境のない高齢者やデジタル媒体の利用や操作に馴染みがない人には届きにくい点がデメリットです。つまり、デジタルノベルティはデジタル環境に慣れている層に効果のある施策といえます。ターゲット層が若い場合は、デジタルノベルティを活用した販促活動がおすすめです。
効果が継続しにくい
効果が継続しにくく、適切な施策ができないとリピーターにつながりにくい点もデメリットです。実物のギフトは手元に残りやすいため、効果が継続しやすいという特徴があります。一方でデジタルノベルティは、実物のギフトではないため存在を忘れる可能性があります。この特徴から、デジタルギフトは消費するため記憶に残りにくく効果が一定的です。ファンとのつながりを強化したり、どのようにリピーターを獲得するかを検討したりなどの工夫が必要です。
デジタルノベルティの活用例
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デジタルノベルティの活用方法はさまざまです。主な例としては以下が挙げられます。
・来店やアンケートの謝礼
・デジタル会員証で配布する特典
・デジタルスタンプラリーの景品
・SNSキャンペーン
それぞれについて詳しく解説します。
来店やアンケートの謝礼
店舗を訪れた際に使用できるクーポンの配布や、アンケート協力のお礼にクーポンやポイントの配布にデジタルノベルティを活用するケースが多い傾向にあります。来店やアンケートの謝礼としてデジタルノベルティを活用することで、来店を促進できる効果があるためです。また、アンケートに答えてもらうことで、どのような課題があるのか、ターゲットにどのような施策が効果的なのかなどを把握できます。来店を促進できることから、潜在層にアピールしたい際にも適します。
デジタル会員証で配布する特典
デジタル会員証を活用したプロモーション施策の一例として、会員ランクに応じて取得できるクーポンやポイント付与などが挙げられます。会員登録や来店・購入時のデジタル会員証提示を条件に、画面を見せるだけで特典としてクーポンやポイントを提供するものです。配布することで、会員の利用促進やリピーター獲得を図れます。会員ランクごとに異なるクーポン配布など、特別感や限定性を持たせた施策を実施しましょう。
デジタルスタンプラリーの景品
デジタルスタンプラリーの景品として、デジタル壁紙やデジタル賞状、オリジナルのデジタルコンテンツなどが挙げられます。紙やグッズのような物理的な景品と異なり、データだけで配布や在庫管理の手間がかからない点が大きなメリットです。参加者はスタンプラリーを達成することで、スマートフォンやパソコンで使える特別な壁紙や、達成の証となるデジタル賞状を受け取れて、達成感や満足感を得られます。また、デジタルならではの限定デザインやカスタマイズ要素を加えることで、参加者の満足度やイベントの魅力をさらに高められます。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンでのデジタルノベルティは、最近特に注目を集めている手法です。SNSキャンペーンでのデジタルノベルティとは、SNSのフォローやリポスト・リツイート・フォトコンなどでポイントやギフト券がもらえるノベルティのことを指します。フォローやリポスト、リツイートなどは店舗に行かず、無料でできるため手軽に参加できる点が特徴です。ユーザーの参加を促し、広告効果もあります。SNSを活用したデジタルノベルティでは、ターゲット層がよく使うSNSを選ぶことが大切です。例えば、若者をターゲットにする際はInstagramやTikTokなどのSNSが適します。
デジタルノベルティのサービス例
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ここまで、デジタルノベルティの概要やメリットとデメリット、活用例を紹介しました。ここからは、デジタルノベルティのサービス例を具体的に紹介します。
ARを使った映画特典の例
映画のプロモーションとして活用した事例です。劇場で配布されたコースターをスマートフォンで読み取ると、ARでキャラクターが動き出す仕組みです。InstagramやX(旧Twitter)などで拡散され、話題になった成功例といえます。キャンペーンが話題となったことで、映画の話題性も上昇して来場者数の増加に成功しました。
アンケート回答でデジタルギフト券をプレゼントする例
アンケート調査に協力してもらうことで、対象者全員や抽選などでデジタルギフト券を配布する例です。その店舗で使えるクーポンだけではなく、コンビニやインターネットショッピングなど身近な買い物で使えるデジタルギフト券も人気があります。この事例は、新規会員登録や来店特典などさまざまなケースで取り入れやすく、デジタルノベルティのなかでも一般的な事例といえます。
NFTを活用する例
NFTを活用したデジタルノベルティの例です。そもそもNFT(Non-Fungible Token)とは、コピーや偽造ができない証明書付きのデジタルデータのことを指します。これまでのデジタルデータは、所有権が明確化されず、コピーや偽造などの問題が多く発生していました。しかし、NFTが開発されたことでデジタルデータの所有権の明確化が可能となりました。そのようなNFTをノベルティに活用することで、付加価値をつけられます。主に映画や漫画などのキャラクター、トレーディングカードなどで活用可能です。レアグッズとして話題性も高まり、知名度の向上も期待できます。
スタンプラリーで特別なデータがもらえる例
AR機能を活用したスタンプラリーの例です。ラリーで見つけたQRコードを読み取ることで恐竜ARが出現します。特別なデジタル写真が撮影できる特別感が人気を集めています。参加することでARで撮れる写真も、ある意味デジタルノベルティとしての役割を果たしているといえるでしょう。また、この事例では写真を撮影できるだけではなくSNSキャンペーンとも連動しています。撮影した写真をInstagramに投稿することで、景品がもらえるキャンペーンにもつなげているため、Instagramによる知名度や話題性の向上が可能です。
リアルグッズにデジタルノベルティをつける例
リアルグッズと連動させてデジタルノベルティを配布する手法もあります。この事例は、携帯電話をかざすと、NFCタグに登録したURL先に飛ぶことができる商品です。アプリは不要で、目的のサイトへダイレクトリンクできます。
前述の通り、デジタルノベルティは形として残らないため効果を継続させにくいというデメリットがあります。しかし、リアルグッズと連動することで実物が残るため、効果の継続性向上が可能です。
近年のデジタル化によって、デジタルノベルティが普及しています。
デジタルノベルティにはさまざまな種類があるものの、商品そのものだけでなく、デジタルデータやARなどの付加価値や、そこでしかもらえないもの・経験できないものが人気です。また、SNSを活用することで投稿によって拡散されやすく、認知度の向上が期待できます。
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